自分の思い込みを見極めるクリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキングとは

クリティカルシンキングとは、物事を構造化したうえで、問題を分析するという考え方です。「クリティカル」とは、重要・危機的という意味もありますが、「批判的」という意味もあります。

言い換えれば、普段は無意識に考えていることや感じている事に対して「その考えは本当に正しいの?」という質問を繰り返し、普段は無意識に考えていることを明確にしていきます。クリティカルシンキングは、いわば自分自身の「暗黙の了解」を排除する思考法なのです。

たとえば、クリティカルシンキングで除外するべき暗黙の了解の例として、「下記のような10の思考バイアス」があります。

  • はじめから結論を決めつけて情報を集めてしまう。
  • 新しいものを受け入れられず、自分の考えに固執する。
  • 新しいものを重視しすぎる。
  • 自分がすぐ思い出せることに頼りすぎる。
  • 最初に仕入れた情報に固執する。
  • 相関関係なのに因果関係と勘違いする。
  • 過去の知識や経験にとらわれる。
  • うまくいかないことを他責で考える。
  • 「こうなってほしい」という希望だけで予測を立てる。
  • ポジティブすぎて不確実性を過小評価する。

自分自身の意見に批判的な目を向けるクリティカルシンキングは、意思決定・問題解決・企画立案に役立ちます。

クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違い

クリティカルシンキングと似たような概念の1つに「ロジカルシンキング」があります。クリティカルシンキングとロジカルシンキングは同一視されがちですが、実際には、ロジカルシンキングの先にクリティカルシンキングがあります。

ロジカルシンキングは、推論・仮説を1つずつ重ねていって、ロジカルな結論を導く思考プロセスです。一方、クリティカルシンキングは、論理的に正しいかどうかを問うだけではありません。ロジカルに決めたアイデアは本当に最適解なのか、机上の空論になっていないかまで精査するプロセスまで含まれているのが「クリティカルシンキング」といえます。

クリティカルシンキングの必要性

仕事をしていると、「前はこの方法でうまくいったから、次もうまくいくだろう」と考えてしまうこともありますが、そう上手くはいきません。

頭から決めてかかると、周りの人とのコミュニケーションに齟齬が生まれやすくなります。古いやり方に固執することで、生産性が落ちるかもしれません。

クリティカルシンキングは、新しいアイディアを生む方法というより、古い考え方・非効率的な考え方を捨てるための思考法です。実践することで、さまざまな意見や主張を聞いても安易に流されず、「本当にこの意見・主張に妥当性はあるの?」と検証できるようになります。

仕事をしていると、1つ問題をクリアしても、すぐに新しい問題がやってきます。クリティカルシンキングを使えば、絶えずやってくる問題にも右往左往されず、冷静に対処できるようになるでしょう。